こんにちわ(カザフスタン語ではサラマッスズバ)。JalanKota(@terc0023)です。
この記事ではカザフスタンのアクタウからアゼルバイジャンの首都バクーへフェリーで行く方法を紹介します。
■アクタウとバクーの位置関係
カザフスタンのアクタウ、アゼルバイジャンのバクーはここにあります。
ユーラシア大陸横断の中央アジアを通るルートでは、アクタウからフェリーでバクーへ渡る人が多いです。
しかし、このフェリーの主目的は客船ではなく、貨物船なので「いつ出発するか、どこに到着するか、わからない」のが旅行者泣かせでした。
そこで私の実体験を基に、チケットの買い方、フェリーの乗り方を紹介します。
※移動日は2019年4月16日~17日です。
その時のツイートがこちらです。
アクタウ~バクーのフェリーの乗り方
■アクタウ~バクーのフェリーの特徴
- 客船ではなく、長距離トラックを乗せる貨物船に乗る
- いつ、どこの港まで、何時間で行くか不明
- トータルの費用は飛行機を使った方が安い
「客船ではなく、長距離トラックを乗せる貨物船に乗る」ので、ネットでチケット購入、チケット購入代行業者などは使えません。出発直前にチケットを入手するしかありません。
「いつ、どこの港まで、何時間で行くか不明」なので、あらゆる状況を想定して、準備しておく必要があります。
下のメモは私の時の情報です。
乗り場:クルーク港(GoogleMap, OpenStreetMap)
降り場:アリャート港 (GoogleMap, OpenStreetMap)
料金:80ドル(約8,750円)
客室:4人部屋(他の乗客と相部屋)
出発時刻:2019年4月16日午前3時20分
到着時刻:2019年4月17日午前3時
乗船時間:23時間40分
「トータルの費用は飛行機を使った方が安い」です。60ドル程度違います。さらに飛行機の方が楽なので、フェリー移動は「飛行機を使いたいくない」、「海路で国境を超えたい」人だけにオススメします。
■フェリーと飛行機の費用の違い
トータルで比較すると飛行機の方が安いです。
フェリーの費用内訳(計165ドル)
- 港までのタクシー代・・・・・・・・20ドル
- フェリー代・・・・・・・・・・・・80ドル
- アゼルバイジャンのビザ代・・・・・24ドル
- 港からバクーまでのタクシー代・・・41ドル
飛行機の費用内訳(計97ドル)
- アクタウ空港までのタクシー代・・・6ドル
- 飛行機代(スカイスキャナー
)・・・90ドル - バクー空港から市内までの電車代・・1ドル以下
港からバクーまでのタクシー代はもう少し抑えられたとしても30~40ドル程度飛行機の方が安いです。
アゼルバイジャンは空路入国ならビザ代が無料ですが、陸路・海路入国はビザ代がかかるのも大きな違いです。
確かに飛行機の方が短時間で安いですが「ユーラシア大陸を飛行機を使わずに横断する」というロマンですから、多少時間とお金がかかっても乗りたいですね。
事前準備
事前準備で必要なものはこの2つです。
- アゼルバイジャンビザ
- アリャート港からバクーまでのタクシー料金(70マナトか50ドル分)
■アゼルバイジャンビザ
2019年12月現在、アゼルバイジャンは首都バクーまたは第二の都市ギャンジャの国際空港でのみアライバルビザ(無料)を発行しています。
つまり海路で入国する時には入国前にビザを入手しておく必要があります。
ネット上からe-visaを申請できます。発行までの時間で料金が変わります。
- 3営業日・・・24ドル
- 3時間・・・・51ドル
申請方法はこちらの方の記事が参考になります。
[アジアバックパッカートラベル]アゼルバイジャンのビザ(e-Visa)取得方法
■アゼルバイジャンの入国日に注意
アゼルバイジャンに入国する日よりも後の日付でビザを取得していても無効です。
例:ビザ開始日(2020年1月1日)、実際の入国日(2019年12月31日)
この場合はバクーの港の入国管理局で特急便(51ドル+3時間待ち)でビザを取り直しになります。
■e-visaのプリントアウトは不要
スマホにe-visaのPDFファイルを保存しておくなどして、入国審査時にビザの画面を見せられれば問題ありません。
■アリャート港からバクーまでのタクシー料金
昼間につけば、バス、列車と選択肢がありますが、深夜に着く可能性もあります。
その際は、路上でヒッチハイクをするか、4キロ程度離れたガソリンスタンド(GoogleMap, OpenStreetMap)まで行き、併設されているカフェのスタッフにタクシーを手配してもらうしかありません。
私は深夜3時に港に着いた後、ガソリンスタンドまで歩き、カフェのスタッフに手配してもらいました。バクーまで80km離れているので運賃も高く、二人で70アゼルバイジャンマナト(4,510円)でした。
深夜に着くと港での両替もできないので、タクシー運賃分の70マナトは持っておいた方が良いです。
■マナトが入手できなかった場合
ドライバーと交渉すると運賃はドル払いになります(ユーロはダメです)。私の時は変換レートで揉めました。70マナトは41ドル程度ですが、たしか二人で52,3ドル請求されました。
食い下がって41ドルになりましたが、ドライバーが乗車拒否することも考えられるので、交渉は程ほどにしておくのが良いと思います。
■どうしてもタクシーを使いたくない場合
ガソリンスタンド併設のカフェで列車、バスが運行するまで待つ方法があります。
直接フェリー乗り場に行く方法
アクタウからタクシーを使って80km離れたクルーク港へ行き、そこのロビーでフェリーが出航するのを待ち続けます。
港への行き方は、宿泊先のスタッフにタクシーを手配してもらうのが確実です。運賃は8,000テンゲ(20ドル)程度です。
出航するフェリーがあればすぐに乗船できますが、数日間運行しない場合もあります。その場合は何も無い港で立ち往生になってしまいます。
ホステルで出航の連絡を待つ方法[オススメ]
情報が何も無い中で、売店、食堂が無い港で待ち続けるのではなく、フェリー会社に行き、フェリーが出航する時に連絡をしてもらうようにします。
これなら待っている間も観光などができるので時間を有効に使えます。
■手順
- フェリー会社に行く
- フェリーが出航する時にホステルに連絡してもらうように伝える
- ホステルのスタッフにフェリー会社から連絡が来ることを伝える
- フェリー会社からホステルに出航の連絡が入る
- ホステルからタクシーで港まで移動する
- 港でチケットを購入する
順番に説明します。
フェリー会社に行く
カスピ海沿岸にあるフェリー会社に行きます。オフィスの情報はこちらです。
名前 | Ferry Passenger and Freight Transport |
場所 | J5P4+RW 5 шағынаудан, Aktau, (GoogleMap) |
営業日 | 月~金 |
営業時間 | AM09:00~PM05:00 |
電話番号 | 8(7292)500-343 8(7292)500-346 8(777)490-46-63 |
メールアドレス | info@ferry.kz |
■オフィスへの行き方
バスを調べる時はWikiRoutesがオススメです。
2番のバスがオフィス前の停留所 「Muzikal’nii(ムジカルニー)」 に停まります。バス内で集金人に目的地を聞かれるのでお金を渡すときに「ムジカルニー」と言えば大丈夫です。
帰りの停留所もあらかじめメモしておくとバス内で混乱せずに済みます。
■時差に注意
アクタウの時間はウズベキスタンと同じ時差(GMT+5)で、アルマトイ(GMT+6)と違います。
「オフィスに行ったらまだ営業していなかった」なんてことが無いようにしましょう。
フェリーが出航する時にホステルに連絡してもらうように伝える
オフィスのスタッフにホステルに連絡してもらうように伝えるメモを見せましょう。
テンプレートはこちらです。「ホステル名」、「電話番号」、「自分の名前」を記入して完成です。
フェリーでバクーに行きたいです。 出発の通知を聞いたら、 私のホステルに電話してください。 ホステルの名前: ホステルの電話番号: 私の名前: ありがとう | Я хочу поехать в Баку на пароме. Когда вы услышите уведомление об отъезде, пожалуйста, позвоните в мой хостел. Название хостела: Номер телефона: Мое имя: Спасибо |
自分の名前をキリル文字で表現するにはこのサイトが便利です。
ホステルが「Elem-T」ならば、完成系はこのようになります。
Я хочу поехать в Баку на пароме.
Когда вы услышите уведомление об отъезде, пожалуйста, позвоните в мой хостел.
Название хостела:Элем-Т
Номер телефона:8(7292)44-05-82
Мое имя:кота
Спасибо
ホステルのスタッフにフェリー会社から連絡が来ることを伝える
自身の宿泊先に戻り、スタッフにフェリー会社から連絡が来ることを伝えておきましょう。
英語が話せるスタッフがいると、勘違いの無いコミュニケーションがとりやすいです。
フェリー会社からホステルに出航の連絡が入る
フェリー会社からホステルに出航の連絡が入ったら、スタッフからあなたに連絡が行くはずです。「何日」、「何時」、「どこの港」から出航するかしっかり聞き、ついでに港までのタクシーも手配してもらいましょう。
「アゼルバイジャンビザの有効期間に入国日が含まれているか確認」と「アゼルバイジャンの港からバクーまでの運賃分を持っているか確認」しましょう。
ホステルから港までタクシーで移動する
時間が来たら、タクシーに乗り港に向かいます。
港でチケットを購入する
港に着いたらカウンターでチケットが買えます。あとは係員の指示に従えばアゼルバイジャンに行けます。
■フェリー待ちにオススメのホステル
「Elem-Tホステル」
オススメポイントは3つです。
- 実際に泊まり、フェリーに乗ったのでスタッフは話が分かる
- 英語が話せるスタッフがいる
- 宿泊費が安いので長期滞在できる
フェリー待ち客の応対経験があるので、タクシー手配など話が速いです。
スタッフは「英語が話せないけど愛想の良いおばさん」と「英語が話せるけど愛想の無いおばさん」の二人います。
宿泊費はアクタウ最安値で、5人部屋のシングルベッドのドミトリーで1泊1,500テンゲ(約430円)です。
デメリットはアクタウの中心地から離れているので、中心地に行くためにバスが必要になることです。
余談ですが、併設されているレストランのカツレツが二日連続で食べるくらいおいしかったのでオススメです。宿泊する時にぜひ。
フェリーチケットを実際に買ってみた
前述したチケットの購入手順は、この経験を基に作りました。
■当初の戦略
- いつ出航するか不明なので、アクタウに5日程度滞在する
- 毎日フェリー会社に行き、運行日を問い合わせる
滞在日数を掛けてでも、確実にフェリーでカスピ海を渡る予定でした。
初日:チケットオフィスに行く
営業開始時刻の午前9時にオフィスに着きました。しかし開いていません。原因はタイムゾーンをヌルスルタン(旧アクタウ)やアルマトイに合わせていました。
アクタウはウズベキスタンと同じ時差で、現時刻は午前8時で、1時間早く着いてしまいました。周辺で1時間待ちます。
チケットオフィスのスタッフと話す
アクタウ時間午前9時。オフィスが開きました。早速スタッフの女性に「今日のフェリーチケットが欲しい」と言うとこちらの返答がきました。
「今日はない。急いでいるなら直接港に行って待て。」と理解しました。
今日は出ないことが分かったので、当初の戦略通り、明日出直すことに決めて、オフィスを出ました。
スイス人との出会い
ホステルに戻るとスタッフが宿泊客のスイス人女性を紹介してくれました。彼女は私と同じくフェリーでバクーまで行こうとしていました。
彼女は優秀でチケットオフィスで「船が出る時にこのホステルに連絡する」ように伝えていました。
さらに、船が出る時はホステルのスタッフがここから80km離れたクルーク港までのタクシーを手配してくれるという事でした。
タクシーの相乗りまででき、私はただ連絡を待つだけになりました。
出航が決まる
その日の夕方にホステルのスタッフから今日の深夜、つまり翌日の午前3時に出航すると連絡を受け、同時に午前12時にタクシーを手配していることも聞きました。
私は自分が持っていたアゼルバイジャンビザの開始日が入国日よりも遅いことに気づき、オンラインでビザを取り直しました。(3時間で発行される特急便なので51ドルでした。)
タクシーで港まで行く
午前12時ホステルに新車の4WDのタクシーが来て、スタッフのおばさんに見送られてスイス人女性と共に港に出発しました。
ドライバーは若い青年で英語は話せませんでしたが、親切でした。
チケットを入手
午前1時過ぎにクルーク港に到着し、フェリーチケットを入手できました。
数日掛けてフェリーに乗る予定が、初日に乗ることができて一安心です。
まとめ
- フェリーは貨物船なので「いつ」出発するか未定
- チケットを買うにはフェリー会社に伝えて、出発の連絡を「港で待つ」または「ホステルで待つ」
- 出航前にアゼルバイジャン入国の準備(ビザ、タクシー代のために両替70~100ドル程度)
- 相乗りできる人がいるとタクシー代が安くなる
■実際の移動経路
■アクタウまでの道のり
■アクタウの癒しスポット