【乗換なし】ヌクス~アクタウ28時間の鉄道移動【バス情報有】

ウズベキスタン

こんにちわ 。JalanKota(@terc0023)です。

ウズベキスタン国内にあるカラカルパクスタンのヌクスから、カザフスタンにあるカスピ海の港町アクタウまで、寝台列車に乗り28時間かけて移動しました。

この記事では、その旅程を紹介します。
※移動日は2019年4月13日~14日です。

その時のツイートはこちら

前日の記事はこちら

ヌクス~アクタウの移動方法(鉄道・バス)

2都市の位置関係はこのようになります。道のりは968kmです。

鉄道移動について

鉄道でアクタウへ行く方法

  1. 鉄道でヌクス駅からアクタウの隣駅のマンギスタウ駅まで行く
  2. 路線バスでマンギスタウ駅からアクタウの中心地まで行く

ヌクス駅から直接マンギスタウ駅まで行けるので、ベイネウでの乗り換えはありません。

■ヌクス~マンギスタウの移動について

乗り場:ヌクス駅(GoogleMap)
降り場:マンギスタウ駅(GoogleMap)
料金:275,240スム(約3,700円)
座席:サードクラス(寝台)
出発時刻:04:12
到着時刻:翌日07:59
乗車時間:27時間47分

運行日は季節によって変わっているかもしれません。というのも、私が乗った4月13日は土曜日でしたが、今チケット予約サイトで調べたら運行日は月、水、金でした。

■2020年1月現在の運行情報

料金:256,900スム(約2,937円)
座席:サードクラス
出発時刻:22:09
到着時刻:22:57
乗車時間:24時間48分
運行日:月、水、金

「運行日の調べ方」、「チケットの買い方」や「座席」に関してはこちらの記事を参考にしてください。

■マンギスタウ~アクタウの移動について

乗り場:マンギスタウ駅前(GoogleMap, OpenStreetMap)
降り場:任意(宿泊先の最寄り)
バス番号:105
料金:95テンゲ(約27円)
乗車時間:45分~1時間

 バスの路線図はこちら(WikiRoutes)

鉄道移動の注意点

■両替について

できれば乗車前にウズベキスタンスムをカザフスタンテンゲに変えた方がいいです。

スムが使えるのは出発から9時間後のカザフスタン入国までです。車内販売用に500~1,000円分くらい残して、後はテンゲに変えても良いと思います。

逆にアクタウに行くまでにテンゲを使う場面が2つあります。

  • 車内販売
  • マンギスタウ駅からアクタウ中心地までのバス、タクシー移動

私がマンギスタウ駅に着いたときは午前8時で通常、両替所は開いていない時間帯です。なのでマンギスタウ駅着く前にテンゲを持っていないと、両替所が開くまで待たないといけなくなります

もちろん車内販売の行商人が両替をしてくれますがレートが悪いです。交渉はできますが、通訳がいないと苦労すると思います。

バスでアクタウへ行く方法

ヌクス北側のアルカ・バスターミナルからアクタウのサク・バザールまで運行しています。

乗り場:アルカ・バスターミナル(GoogleMap, OpenStreetMap)
降り場:サク・バザール(GoogleMap)
料金:10,500テンゲ(261,000スム程度と思われる。約3,000円)
運行日:ヌクス~アクタウ:火曜~土曜
    アクタウ~ヌクス:月曜~金曜

バス移動の注意点

■乗り場への行き方

路線バス情報が見つかりませんでした。タクシーで行くのが確実です。(配車アプリYandex.Taxiでも調べようとしましたが、ヌクスではサービスをしていませんでした。)

■乗車時間について

乗車時間は不明ですが、列車と比べると早いと思われます。理由は2つあります。

  • 出入国の手続きをする人数が列車より少ない
  • ベイネウでの待ち時間がない(列車はベイネウで4時間半くらい待った)

もしバスに乗った方がいましたら、感想を聞かせてください!

到着時刻について

乗る場合は到着時刻を聞いておいた方が良いです。深夜着も考えられます。

■カザフスタンテンゲへの両替はバス乗車前に

事前に小額を両替して、食事、トイレをするくらいのテンゲは持っておいた方が良いです。

国境沿いの商店で休憩をした時に両替できる可能性がありますが、過去の経験上、まったくできなかったこともあり、水すら飲めなかったので準備しておいた方が良いです。

ヌクス~アクタウの28時間の鉄道旅を紹介します

ここからは、私の体験談を紹介します。ウルゲンチ~ヒヴァ~ヌクスと移動してきました。

ヒヴァの世界遺産「イチャン・カラ」では極楽を味わい、ヌクスにある場末の酒場では、酔っ払いに絡まれた上に流血した男が乱入してくる修羅場を体験しました。

そんな浮き沈みの激しい一日が終わり、今はヌクス駅の駅舎の中でベンチをベッドにして寝て、午前4時12分ヌクス発マンギスタウ行の列車を待っています。30代イスラム教徒の日本人男性と一緒です。

ヌクス駅構内
ヌクス駅構内

一眠りしたので酒場での酔いも醒めてきました。

これから28時間かけて行くアクタウは、ここから約970kmの道のりです。970kmのイメージが湧かないので、日本に置き換えて調べてみました。

北は東京から旭川の先、西は佐世保の先まで行けます。

そんなことを考えている内に午前4時前になりました。列車が到着して乗客が駅舎からホームに移動し始めています。

それに合わせて速やかに移動し、目当ての車両を見つけて乗り込みます。

日中は天気が良く汗ばむくらいの暑さですが、深夜は冷え込みます。

ユニクロのライトダウンジャケットとネックウォーマーを着て、さらに昔スウェーデンで買ったエベレストというブランドの防寒ズボンを履いて防寒装備をしていますが、少し寒いです。冷気が体を包み込んで芯から冷やす感じが、砂漠地帯特有の寒さなのでしょうか。

深夜のヌクス駅駅舎
深夜のヌクス駅構内

ヌクス~マンギスタウ行きの列車に乗り込む

ベッドメイキングから就寝

私は3等客車に乗り込みました。1等2等とは違い、個室は無くオープンタイプです。通路と平行に寝る窓際の上段の席に荷物を置きました。

通路に面しているので近くに人が居座りづらいので、自分の空間と時間を確保できるお気に入りのポジションです。

夜行列車車内
私のベッドは右上です

乗り込んだ時は深夜でしたが、ブハラ~ウルゲンチの夜行列車とは違い、車内はまだ消灯していませんでした。

いつ消灯するかわからないので、速やかに自分の座席に敷布団を敷き、シーツを掛けて寝る準備をします。

ここから敷布団を持っていきます
ここから敷布団を持っていきます

緑と青の縞々の塊が敷布団です。最後に干されたのいつなのか考えてしまうせんべい布団でした。

先に乗車していた人たちはすでに就寝の準備ができています。

長い一日で疲れたのですぐに眠りにつきました。

列車の中の生活

夜が明けて人々の生活が始まりました。

さまざまな行商人たち

■日用品を売る行商人

途中停車すると、行商人がやってきて、大声で「水!コーラ!お茶!」など売り込んできます。

他にも、衣類、時計、アクセサリ、SIMカード、モバイルバッテリーなど様々なものが売られています。

国境を超えると通信業者も変わるので、SIMカードは売っていると便利ですし、長時間の移動だとスマホの電池も切れるので、モバイルバッテリーは重宝します。

見ているこちらとしては、毎回変わり映えが無く飽きてしまいますが、定番物だからこそ安定的に売れるのかと考えてしまいます。

■食べ物を売る行商人1「マンティを売る親子」

食べ物は中央アジアの肉まん「マンティ」、羊肉のバーベキュー「シャシュリク」にパンなどが売られています。

行商人のおばさんと娘
行商人のおばさんと娘

こちらの写真は、おばさんと娘の二人一組でマンティを売っている様子です。小学生か中学生くらいの女の子が良く通る少し低い声で、堂々と客引きをしていました。

息の合ったコンビネーションで短い停車時間の間にたくさんのマンティを売っていきます。

マンティ
車内販売のマンティ

関心したので1つ買ってみました(約60円)。もちもちした生地が食べ応えがあり、1つでお腹が膨れます。列車旅行にぴったりです。

■食べ物を売る行商人2「強烈な臭いの干物を売るおじさん」

そして、たまに強烈に臭い時があります。

原因は、こちらの紫のシャツを着たおじさんの売り物です。臭いがかなり強い魚の干物を売っています。日本で食べる干物の匂いを数倍濃縮した濃い強烈な臭さです。

干物を売るおじさん
干物を売るおじさん

さらに「他人の布団の上に座る」「食べ物を素手で持つ」など日本では考えられないような衛生観念ですが、そんなところを気にする人は一人もいません。

日中、下段のベッドは座席扱いです。他の人に座られても文句は言えません。嫌なら上段にしましょう。

日中の乗客の様子

暇を持て余した大人たちのお茶会

引き続き、干物おじさんの写真の話です。

奥ではお茶会が開かれています。車内にある給湯器でお茶を作り、持ち込んだパンでお茶会をしています。

「酒盛りでもしてるのではないか」と勘ぐってしまうくらい長時間話をしています。私は彼らから甘いパンをごちそうになりました。

一人の女性が少し英語を話せました。彼女はカラカルパクスタン共和国出身で、職場のあるアクタウに向かっていました。

彼女の仕事はレストランのウエイトレスで「アクタウに着いたら私の店に来てね」とメールアドレスをもらいました。

ウズベキスタンの寝台列車の日中の様子
寝台列車の日中の様子

乗車中は暇です。寝るか、スマホで動画を見る、電子書籍を読む、人と話すくらいしかやることがありません。昨日とは違って到着までのんびりできます。

長時間移動でスマホの電池が心配な人へ

12時間を超える長時間の移動ではスマホの電池切れが心配です。そんな時のために、私はこのモバイルバッテリーを持っていました。

iPhoneが3回充電できる10,000mAhの大容量ですがクレジットカードサイズで180gという小型・軽量なので、持ち運びやすいです。

これがあったので24時間の列車移動中でも、電池の残量を気にすることなく、動画、音楽、電子書籍、ゲームを楽しめました。

■エネルギーを持て余した子どもたち

子どもはエネルギーを持て余して、ベッドのはしごを登ったり、通路を走ったりしていました。

スマホを渡して写真の撮り方を教えてあげると撮影会が始まりました。

スマホで遊ぶ子ども
スマホで遊ぶ子ども

そんなのんびりとした雰囲気を包みながら列車は荒野を進みます。

砂漠の荒野を進む列車
砂漠の荒野を進む列車

ウズベキスタンからカザフスタンへ国境越え

ウズベキスタン出国

出発してから9時間が経つ頃、列車が停車し、車内が慌ただしくなり、軍人さんが乗り込んできました。

スマホをしまうように言われました。出しっぱなしにしていた女性は軍人にスマホを取り上げられ、彼のポケット中に入ってしまいました。(その後どうなったか不明です)

荷物検査が始まりました。軍人さんが1つ1つブースの前まで来て、各人の荷物を訪ねて周ります。

私の番になりました。出身国などを聞かれ、バッグを開けて中を少し見せたらOKが出ました。

その後、一人ずつ名前を呼ばれ、2,3の質問の後にレギストラーツィアを確認され、出国スタンプを押してもらいました。

手続きは全体で一時間で完了しました。

滞在登録証明書「レギストラーツィア」

ウズベキスタンでは、いつどこに滞在していたかを証明する紙切れレギストラーツィアが必要です。

通常ホテルやホステルでは証書の発行をスタッフが行い、チェックアウト時に渡してくれますので、貰い忘れないように気を付けてください。

夜行列車では切符がそれの代わりになるので、乗車後も出国するまでは捨てないように注意してください。

カザフスタン入国

30分走った後、今度はカザフスタンの入国審査です。

私は2週間足らずでカザフスタンに2度出入国をしていたので、何か言われるか不安でしたが杞憂でした。

入国の目的「観光」と、どこへ行くのか「アクタウからフェリーに乗ってアゼルバイジャンに行く」と伝えて、入国スタンプをもらいました。

乗客はカザフスタンの軍人さんが乗り込んでくる前にこそこそと黒いビニール袋を2段ベッドのさらに上にある棚の奥の方に隠していました。何を持ち込んでいたのでしょうか。

この旅三度目のカザフスタンです。どんよりした曇り空と枯れた荒野が続きます。

ウズベキスタンとカザフスタンのベイネウ、アクタウの時差はありません。GMT+5で日本との時差は-4時間です。

ベイネウでの4時間半の停車

出発から13時間経過した午後5時過ぎ、ベイネウに到着しました。乗客がほとんど外に出たので、長時間停車とわかり、一緒に外に出ました。

ベイネウ駅のプラットホーム
ベイネウ駅のプラットホーム

外はタクシーの客引きなど乗客を待っている人でにぎわっていました。

ベイネウ駅の様子
ベイネウ駅の様子

出店があったので、サンドイッチを1つ買ってみました。

にんじんとマヨネーズのサンドイッチ
にんじんとマヨネーズのサンドイッチ

あっさりとしたマヨネーズがたっぷりでおいしかったです。

30分後、列車の位置が少し移動し、そこからさらに4時間待たされました。

ベイネウ駅付近で停車中の様子
ベイネウ駅付近で停車中の様子

特にやることが無いので、外に出たり、ベッドで寝たりして時間をつぶします。

ベイネウ駅付近で停車中の様子2
ベイネウ駅付近で停車中の様子2

日が暮れてきました。

ベイネウ駅付近で停車中の様子3
ベイネウ駅付近で停車中の様子3

夕焼けがとてもキレイでした。

夕焼けと行商人のおばあさん
夕焼けと行商人のおばあさん

行商人のおばあさんが売る謎の鶏料理「アカラチカ」

こちらは行商人のおばあさんたちです。後ろに客車が見えますが、出入り口の向かって左側がトイレです。垂れ流しトイレです。

なので誰かが使うと色々垂れてきます。おばあさんたちは気にせず、時折流れる液体を見てケタケタ笑うだけです。

行商人のおばあさんたち
行商人のおばあさんたち

私は、出発を待つ長い間ずーっと気になっていることがありました。

そのおばあさんが持っているポリバケツの中身です。

アカラチアが入ったポリバケツ
アカラチカが入ったポリバケツ

中には鶏もも肉の大きな一枚肉が赤い粉に染められて入っています。「アカラチカ」という名前の料理だそうです。

アカラチアが入ったポリバケツ2
中にはもも肉が入っている

見た目が生っぽく、乗車中におなかを下すのが怖くて食べるのをためらっていました。だけど、どう見てもおいしそう。「ここで食べなかったら二度と食べられない」と思って、日が暮れるまで悩み、結局食べることを決意しました。

アカラチカ
アカラチカ

アカラチカは、300~400gくらいある大きな鶏もも肉を塩ゆでして、チリパウダーを掛けただけのシンプルな料理でした。

とってもシンプルなのですが、火の通り方が絶妙で柔らかくてジューシーでした。1つ600テンゲ(約175円)でお腹いっぱいになります。

夕食も食べ終わり、大満足して就寝しました。

後日調べたら、アカラチカはロシア語で「もも肉」という意味だそうで、ロシアやキルギスでは、アカラチカという名の鶏もも肉のグリル料理があるそうです。

マンギスタウ到着!

夜が明け、到着まであと数時間になりました。

相変わらず景色は変わりません。

明け方の車窓
明け方の車窓

時々倉庫みたいな家屋が見えます。鉄道作業員の詰め所かなにかでしょうか。

明け方の車窓2
明け方の車窓2

マンギスタウ駅に着いた!

出発から約27時間、4月14日午前8時ついにカザフスタンのマンギスタウ駅に到着しました!

マンギスタウ駅に到着
マンギスタウ駅に到着

我々は真っ先にカフェに向かって、朝食を食べました。

マンギスタウ駅内のカフェ
マンギスタウ駅内のカフェ

車内で何もしていないけれど、お互い疲れた顔をしています。

そんな時に飲む甘くてあったかい紅茶はより一層おいしいです。

コーヒーと惣菜パン
紅茶と惣菜パン

いざ、アクタウへ

一息ついたので、マンギスタウ駅を出て路線バスに乗り、アクタウを目指します。もう3夜連続で列車泊だったので、シャワーを浴びたいし、なにより揺れないベッドで眠りたいです。

マンギスタウ駅外観
マンギスタウ駅外観

駅前のバス停で105番のバスを待ちます。

マンギスタウ駅前の様子
マンギスタウ駅前の様子

バス停の横にこんな看板が!これはヌクス~アクタウの国際バス情報です。この看板の情報はこちらにまとめてあります。

ヌクス~アクタウのバス情報
ヌクス~アクタウのバス情報

10~15分待っていたら、バスが来ました。アクタウまでの運賃は95テンゲ(約30円)です。45分~1時間ほどバスに揺られてアクタウの中心地に行きます。

マンギスタウ~アクタウまでの運賃表
マンギスタウ~アクタウまでの運賃表

バス停から25分歩いて、ホステルに到着しました。すぐさまシャワーを浴びて昼寝しました。

ここで数日間滞在して、アゼルバイジャンのバクー行きのフェリーが出航するのを待ちます。

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Elem-Tホステル外観
Elem-Tホステル外観

まとめ

  • ヌクス~アクタウの移動は鉄道と国際バスがあります
  • レギストラーツィアは、ウズベキスタン出国時にチェックされるので、無くさないように気を付けてください
  • 列車でカザフスタンに入国するとウズベキスタンスムが使えなくなるので、両替はウズベキスタンで済ませるか、食事、トイレ代の1000円程度のカザフスタンテンゲを乗車前に入手しておくと楽です

■実際の移動経路