こんにちわ。JalanKota(@terc0023)です。
この記事ではユーラシア大陸を陸路で横断するモデルルートを4つ紹介します。
私は2017年~2019年にかけて、これから紹介するルートの1つ「東南アジア・中央アジアを通るルート」で、シンガポールからポルトガルのリスボンまで陸路で横断した経験があります。
ユーラシア大陸を陸路で横断できる4つのルート
ロシア・シベリア経由ルート(北ルート)
ロシアの極東ウラジオストクからシベリア鉄道に7日間乗って、モスクワまで行き、そこからヨーロッパを横断して、ポルトガルのリスボンまで行くルートです。
移動距離 | 約13,800km |
通過する国数 | 7か国 |
出発地 | ウラジオストク(ロシア) |
オススメポイント
- 総移動距離が短く、モスクワまで列車の旅になるので短期間で行ける
- モスクワからリスボンまで鉄道で行けるので、鉄道好きにオススメ
- 車両を持ち込みやすいので、自動車、バイクでも横断できる
- 鳥取の境港からウラジオストクまでフェリーが出ているので、日本から飛行機を使わずに横断できる
アジアを飛ばし、短期間でヨーロッパに入るので、限られた旅行期間と予算でもユーラシア横断ができるルートになっています。
ウラジオストクからモスクワまでの値段を調べたら$195(約21,200円)からありました。
また、このルートではウラジオストクからリスボンまですべて鉄道で行けます。なので鉄道好きだけでなく、車酔いしやすい人や、長時間の移動では近くにトイレがないと不安になる人にオススメのルートです。
このルートの大きな特徴の一つとして、車両を持ち込めない中国や現在緊張状態のパキスタン・イランを通らないので、自動車やバイクでユーラシア大陸横断をできるルートになっています。
さらに鳥取の境港からウラジオストクまで片道26,000円からフェリーがでているので飛行機を全く使わずに日本からユーラシア大陸横断できます。
課題点
- 約一週間列車に乗り続けなければならない
- モスクワまでの約9,000kmが列車旅なのでアジアを体験できない
ウラジオストクからモスクワまでの約一週間は列車に乗り続けなければならないので、他の乗客とコミュニケーション取れる手段を持っておくと旅がより楽しくなります。
例えば、日本のお茶菓子をお裾分けしたり、折り紙を教えたりするのは、日本に興味を持ってもらうきっかけになるので面白いです。
このルートではアジアを一切通らないので、ポルトガルからの帰りにタイやマレーシアなど東南アジア経由でエスニック料理を食べて帰国するとユーラシア(Eurasia = Euro + Asia)を満喫した感じに浸れるかもしれません。
中央アジアルート
中国上海から出発し、新疆ウイグル自治区のウルムチを経由して、中央アジアへ。カスピ海を超え、アゼルバイジャン、ジョージアとコーカサス地方を通り、トルコへ抜け、ヨーロッパに入るルートです。
移動距離 | 約16,300km |
通過する国 | 15か国 |
出発地 | 上海(中国) |
オススメポイント
- シルクロードの軌跡をたどれる
- インフラが整備され、治安もいいので安全に旅行できる
- ビザが必要な国はアゼルバイジャンの1か国のみ
- 大阪~上海間でフェリーが出ているので日本から飛行機を使わずに横断できる
このルートは中央アジア、コーカサスといった普段目にしないような文化に触れられる機会が多いの特徴です。中央アジアでは私たち日本人に似た顔をした人たちが全く違う文化圏で生活していることに興味が湧くと思います。
ウズベキスタンのサマルカンドなどはシルクロードと呼ばれ、行商のキャラバン隊のオアシスだった名残を感じることができます。
未知なことが多い国に多く行くために不安になりますが、インフラが整備されていて、治安も良い国しか通らないので安心・安全に旅行することができます。
実際にウルムチから中央アジアに行きましたが、不毛な砂漠地帯に綺麗に舗装された道路が真っすぐ伸びていて、予想よりはるかに綺麗だったので驚きました。
また、ビザが必要な国がアゼルバイジャン1か国のみで、それもオンラインで申請できるので、ビザ取得待ちで何日も都市に居続ける必要もありません。
さらに、大阪~上海間でフェリーが出ているので、日本から飛行機を一切使わずにユーラシア大陸を横断することができます。
課題点
- カザフスタンからアゼルバイジャンの間はカスピ海になり、フェリーか、飛行機で渡らないといけない。
純粋に陸路のみで行こうとすると、ウズベキスタンからトルクメニスタン、イラン、トルコと移動する必要があります。
しかし、私がウズベキスタンにいた2019年4月だと、トルクメニスタンに入国しようとしていた日本人2人に別々に会いましたがどちらも短期ビザが発行されずに入国を断念していました。
2019年5月に方針が変わり、短期ビザで入国できるかもしれません。
[外部リンク]JETRO – トルクメニスタン、日本人観光客へのビザ発給手数料を軽減へ(2019年5月31日)
[非推奨・危険度高]東南アジア・インド経由ルート(南ルート)
東南アジアのシンガポールを出発し、マレー半島を北上、ミャンマー、インド、パキスタン、イランを抜けてトルコに行き、ヨーロッパに入るルートです。
移動距離 | 約17,100km |
通過する国 | 16か国 |
出発地 | シンガポール |
オススメポイント
- 最近開放されたミャンマーとインドの国境を渡れる
- 沢木耕太郎著「深夜特急」のルートに近い旅が体験できる
2018年にミャンマーとインドとの国境が開放され、東南アジアからヨーロッパに行けるようになりました。
バックパッカーのバイブルと呼ばれる沢木耕太郎著「深夜特急」では、香港から旅が始まり、マカオ、タイ、マレーシア、シンガポール、インド、アフガニスタン、イラン、トルコと進んでいます。
また、大沢たかおさん主演の同名のテレビドラマでは、撮影時に国際情勢が変わり、インドからパキスタン、イラン、トルコとこのルートと同じ道を進んでいます。
そんな名作をなぞりながら一緒に旅ができるルートになっています。
課題点
- 治安。特にパキスタンとイランの国境は外務省安全情報で危険度MAXのレベル4
このルートは他の課題点がかすむレベルでこの問題が一番大きく、命に係わる問題なので「非推奨」ルートになります。
通過するためには、リーバイスと呼ばれる武装した護衛隊に守られながら約5日間かけて国境付近を超えるそうです。ホテルから外出する時もその護衛隊が必要です。
いつか平和になったら行ってみたいですね。
東南アジア・中央アジアルート
最後は東南アジア・インドルートから現在治安が悪化している国を避け、中央アジアからヨーロッパに入るルートです。
「東南アジア・インドルート」と「中央アジアルート」の合体版です。
移動距離 | 約19,200km |
通過する国 | 20か国 |
出発地 | シンガポール |
オススメポイント
- 中央アジアルートに東南アジアを併せたいいとこどりのルート
- 通過する国が増えても情勢不安の国が無いので、安全に旅行できる
中央アジアルートに気候が温かく、物価が安く、旅行しやすい東南アジアを併せ、マレー半島を北上し、そのままラオス、ベトナムを経由して、中国に入国するという冒険性がありつつも旅行しやすいルートです。
情勢が悪化している地域を避けているので、移動距離が長くなりますが安全に旅行できます。
課題点
- 最長距離のため、所要日数がかかる。
日数が掛かるのを承知で、空路でインド、イスラエルあたりにも足を運んでユーラシア大陸の個性あふれる国々を満喫するのもオススメです。
安全に多くの国に行ける東南アジア・中央アジアルートがオススメ
多くの国に行けるので、様々な文化を体験できる
これは通過する国数をルートごとに比べた表です。東南アジア・中央アジアルートが20か国と一番多いです。多い分様々な国の文化に触れることができ、思いがけない国があなたのお気に入りになるかもしれません。
ロシア・シベリアルート | 7か国 |
中央アジアルート | 15か国 |
東南アジア・インドルート | 16か国 |
東南アジア・中央アジアルート | 20か国 |
実際、私は何も知らなかったジョージアが大好きになり、1ヵ月くらい滞在することになりました。
情勢が不安定な国を通らない
国境が緊張しているインド、パキスタン、イランを通らないので比較的安全です。インフラもしっかりしている国がほとんどなので、安心・安全です。
自分が油断をしないように注意していれば、大きなトラブルに巻き込まれることはないと思います。
- 夜間(22時以降)の外出を避ける
- スリ、置き引き対策をしっかり
- ドミトリー内で盗難されないようにカバンにカギを付けておく
ビザが必要なのは1か国だけ。それもネットで取得できる
ビザが必要なのはカザフスタンからフェリーでアゼルバイジャンに入国する時の1回だけです。それもネットで取得できるので、わざわざ大使館に行く手間がありません。
フェリーに同乗していたドイツ人カップルはビザの有効期限が間違っていて、入国できませんでした。事務所で新たにビザを取得(要3時間+追加料金)して入国していました。空路で入国する際は空港でアライバルビザが無料で取れます。
まとめ
ユーラシア大陸を陸路で横断できる4つのルートを紹介しました。
- シベリア鉄道で行く北ルート
- 中央アジアをめぐる中央ルート
- 現在情勢が悪化している非推奨の東南アジア・インドルート
- 20か国を通る東南アジア・中央アジアルート
それぞれのルートで、自分ならどんな旅になるか想像してみると楽しいと思います!
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