ウルゲンチ~ヒヴァ~ヌクスの一日移動で味わった極楽と修羅場

ウズベキスタン
ムハンマド・ラヒーム・カーン・マドラッサ

こんにちわ。JalanKota(@terc0023)です。

ウズベキスタンの西部トルクメニスタン国境に近いウルゲンチ(Urgench)にブハラ(Bukhara)から相席寝台列車でやってきました。今日はここからヒヴァ(Khiva)の世界遺産「イチャン・カラ」へ日帰り旅行をした後に、ヌクス(Nukus)に向かいます。

  1. ウルゲンチから南西に40km離れたヒヴァに行く
  2. ヒヴァにある世界遺産「イチャン・カラ(Ichan Qa’la)」を観光する
  3. 再びウルゲンチに戻る
  4. ウルゲンチから北西に170km離れたヌクスに行く
  5. 翌日の午前4時発の列車に乗る

当時は、サマルカンドのホステルで出会ったもじゃもじゃ頭の書籍店の店長(30代男性イスラム教徒)さんと2人旅中でした。

こちらの記事は次の順番で構成されています。

  1. ウルゲンチ~ヒヴァ~ヌクスの移動情報
  2. ウルゲンチ~ヒヴァ~ヌクスの移動・観光体験談

体験談だけ読みたい人は「ウルゲンチ~ヒヴァ~ヌクスの移動・観光体験談」へお進みください。

ウルゲンチ~ヒヴァ~ヌクスの移動情報

ウルゲンチ駅からヒヴァまでバス移動

乗り換えが1回あります。

  1. ウルゲンチ駅前~マーケット
  2. マーケット~ヒヴァ

■ウルゲンチ駅前からマーケットまで

ウルゲンチ駅前ロータリーから19番のバスに乗車し、降り場は下記になります。

乗車時間は15分程度、運賃は1,000スムです。


[外部リンク]OpenStreetMapで大きな地図を表示

■マーケットからヒヴァまで

2種類バスが出ています。オススメはイチャン・カラの北門前に停車する2番のバスです。(北門は入場料を取られないという情報もあります。)

■2番のバス

こちらのバスがイチャン・カラ北門前に到着するのでオススメです。ただし乗り場まで少し移動が必要です。

乗り場Central’nii rinok (Khiva)(GoogleMap
降り場Ichan-Kala(GoogleMap
運賃2,500スム
乗車時間1時間程度
バスルートWikiRoutes

■215番のバス

2番のバスが見つからなかったらこちら。

バスのプレートにロシア語で「Хива」と書かれているのが目印です。

※イチャン・カラから少し外れた場所を通るので降り場に気を付けてください

乗り場マーケット(OpenStreetMap
降り場ウリカ・フェルズ(Ulica Ferzu)
OpenStreetMap
運賃3,000スム
乗車時間1時間30分程度
215番「Хива」行き

ウルゲンチからヒヴァまでタクシー移動

時間が限られている場合は、タクシーを使うことをお勧めします。

ヒヴァからウルゲンチまでのタクシーが貸し切りで25,000スムだったので、ウルゲンチからヒヴァも25,000から50,000スム位で行けるかもしれません。

ウルゲンチ駅前にタクシーの客引きがいるので値段交渉できます。

イチャン・カラのチケットについて

■入場チケット

種類チケット内容料金(子供は半額)
STANDARD城内への入場、城内の博物館の入場、
ミナレットの登頂
100,000スム
(約1,300円)
ECONOM城内への入場のみ50,000スム
(約750円)

下記が料金表です。V.I.PとSTANDARDの違いがありません。

イチャンカラの入場料一覧

■各種施設

STANDARDチケット以上を持っていない人は入場料が必要な施設があります。確認できた情報をまとめます。

  • イスラム・フッジャ・ミナレットー15,000スム
  • Sherg’ozixon Madrasasiー30,000スム

ヒヴァからウルゲンチまでタクシー

イチャン・カラ西門前にタクシー乗り場があります。

■タクシー料金

人数料金(スム)
貸し切り25,000
相乗り4名8,000/人

乗車時間は1時間程度です。

ヒヴァからウルゲンチまでバス移動

イチャン・カラの北門からウルゲンチのマーケットまでバスが出ています。

乗り場Central’nii rinok (Khiva)(GoogleMap
降り場Central’nii rinok (Urgench)(GoogleMap
運賃2,500スム
バスルートWikiRoutes

ウルゲンチからヌクス駅までタクシー

■タクシー乗り場

ヌクスまでのタクシーはスタディオン・ホラズン(Стадион Хоразм)前にいます。


[外部リンク]OpenStreetMapで大きな地図を表示

■タクシー料金

人数運賃(スム)
貸し切り150,000
相乗り3名50,000/人
相乗り4名35,000/人

乗車時間は2時間15分程度です。

ヌクスへ日帰りする場合はタクシーを貸切った方が時間に追われることなく観光できるのでオススメです。

■スタディオン・ホラズンまでの行き方(2019年12月28日追記)

スタディオン・ホラズンまでは路線バスで行けます。

ウルゲンチ駅~マーケット~スタディオン・ホラズンとミニバスが出ています。バス番号は19で、運賃は1,000スムです。

ルートはこちらのWikiRoutesをご覧ください。

■ウルゲンチ・サマルカンド・ブハラの路線バス検索方法

WikiRoutesを使うとウズベキスタンの主要都市の路線バスをルート検索で使えるようになります。

使い方はこちらの記事を参考にしてください。

下記の路線バス情報は未確認情報です。(2019年12月28日削除)

路線バスはスタジアムに接しているもう一つの大通りに停留所「スタディオン」があるようです。マーケットのバスターミナルからスタディオン行きを探せばあるかもしれません。

■白タクとの交渉の注意点

移動する前にお互いしっかり合意をとっておくとトラブル防止になります。特に行先が中心街のホテルなどドライバーが迷いやすかったり、渋滞に巻き込まれたりすると、別途請求になる場合があります。

ウズベキスタンで1回あったのは、サマルカンド~ブハラへのタクシー移動で、ブハラ郊外に降ろされそうになり、中心地に行くために別途運賃を支払った経験があります。

ウルゲンチ~ヒヴァ~ヌクスの移動・観光体験談

ウルゲンチ駅

午前10時、ブハラから6時間掛けてウルゲンチ駅に到着です。

昨晩は列車内で寝ましたが、まさかのシングルサイズのベッド1つを2人で使う相席寝台だったので寝不足で身体がだるいです。

寝台ベッド

駅舎は立派な建物です。天気は良く晴れていて日差しが眩しいです。

ウルゲンチ駅駅舎

トイレに行くために駅舎に入りました。掃除のおばさんにトイレの場所を聞いた所、そのおばさんは英語が話せることがわかりました。その機会を逃すまいとここからヒヴァまでの行き方を聞きました。

話してくれたことの20%位しか理解できませんでしたが、「駅前にバス停がある」、「19番のバス」、運賃の「3000スム(約40円)」と、なぜか出てきた「マーケット」の単語は理解できました。

何より、「ここからヒヴァまでバスが出ている」という情報が入手できたことが収穫でした。

さっそく駅舎から出て、タクシーの勧誘を避けて路線バス乗り場まで行きました。

ヒヴァ行きの路線バス

バス乗り場はロータリーになっていて、そこに4,5台のミニバスが停車しており、すべてが19番のバスでした。その中からすでに乗客を乗せ、出発しようとしているバスを見つけて運転手に「ヒヴァ!ヒヴァ!」と言ってみました。

運転手のお兄さんは「違う」という反応。気を取り直して、同じ19番の他のバスの運転手にも聞いてみましたが、同じく「違う」という反応。あきらめずに少し離れた場所にいた3台目にチャレンジしたところ、「乗れ!」というジェスチャーで返してくれました。

「同じ19番のバスなのになんでだろう?」という疑問は「これでヒヴァに行ける」という達成感で打ち消されました。

ウルゲンチ駅舎の外観

走り始めて15分くらいすると乗客全員が降り始めました。運転手のお兄ちゃんも私たちに降りるように言ってきました。「ヒヴァは40km離れてるからここじゃないはずだけと」と思いながら下車すると謎が解けました。

ここが「マーケット」だったのです。ヒヴァまでの行き方を教えてくれたおばさんが言いたかったことがようやくわかりました。

この停留所はバスターミナルになっていて、複数の路線バスが停まっていました。「ヒヴァ、ヒヴァ」言いながら歩いていると、優しい黒ずくめのおじいさんが案内してくれました。

ヒヴァ行きのバス

ヒヴァ郊外のマーケット

1時間30分ほど、文字通りバスに揺られてヒヴァに着きました。町の中心にある目的地の世界遺産「イチャン・カラ(Ichan Qa’la)」付近で降りられると思い込んでいた所、降りそびれてしまい、少し離れたマーケットで降りました。

マーケットの入り口

奥の方で肉が焼けるめちゃくちゃいい匂いが煙とともに漂ってきます。

奥の方ではバーベキューをしています

朝から何も食べておらず、すでに昼過ぎになって空腹だったので、マーケット内の食堂で中央アジアでは一般的なローカルフードである羊肉のバーベキュー「シャシュリク」を食べました。

焼きたてのシャシュリクを一口噛むと焼けた肉の香ばしさと肉汁がワッと出てきます。羊独特の香りが「野生を喰らっている」感じがして、食が進みます。

シャシュリク

1本8,000スム(約103円)で、これに固めのパンがついてきます。

食後はマーケットを散策しました。

生鮮食品コーナー

生鮮食品、服、電化製品、日用雑貨など日常生活で必要なものが一通りそろっています。

日用品コーナー

大体巡った後、タクシーでイチャン・カラに向かいました。

世界遺産「イチャン・カラ」

タクシーに乗って5分ほどでイチャン・カラに着きました。

巨大な城壁に圧倒されます。

入場ゲート(西門)

イチャン・カラ西門

チケットは4種類ありますが、普通の観光客であれば次のどちらかになります。

種類チケット代に含まれるもの料金(子供は半額)
STANDARD城内への入場、城内の博物館の入場、ミナレットの登頂100,000スム
(約1,300円)
ECONOM城内への入場のみ50,000スム
(約750円)

ECONOMチケットでも、博物館やミナレットで別途入場料を払えば中に入れてもらうことができます。なので余すことなく観光する人はSTANDARD。さっと周りたい人はECONOMで良いと思います。

カルタ・ミナル・ミナレット

西門から城内に入ってすぐにカルタ・ミナル・ミナレット(Kalta Minor Minaret)という「短い塔」という意味を持つ塔が見えます。

カルタ・ミナル・ミナレット

短い塔という名ですが、高さが26m、基礎部の直径が14mあるので、塔の根本に来るととても大きいことがわかります。

カルタ・ミナル・ミナレットの根本

ミナレットを過ぎると商店が並ぶ通りにでました。

商店通り

観光客でごった返していることもなく、程よい活気があります。

程よい活気です

木漏れ日のレストラン「マリカ・ヘイヴァク・レストラン」

到着して間もないですが、休憩することにしました。近くにあった雰囲気が良いレストラン、マリカ・ヘイヴァク・レストラン(Malika Kheivak Restaurant)に行きました。

木陰が気持ちよさそうなウズベキスタン式の座敷席にしました。

木漏れ日溢れるウズベキスタン式の座敷席

牛車か馬車も置いてありました。

牛車か馬車か

ここで麦スカッシュを飲みました。気持ちのいい天気の下で飲む麦スカッシュは最高です。飲んでいたらウトウトしてきて、そのまま落ちるように寝てしまい、天にも昇るような昼寝でした。

生麦スカッシュ

私が寝ている間、店長さんはドイツ人の俳優兼アーティストの人と仲良くなってFacebookの交換をしていました。

イスラム・フッジャ・ミナレット

ひと際高い建物を見つけました。イスラム・フッジャ・ミナレット(Islam Khodja Minaret)というこの塔は高さが44mあります。ヒヴァで一番高い建物です。

イスラム・フッジャ・ミナレット

STANDARDチケットを持っていない我々は、塔への登頂料15,000スム(約200円)を払って中に入りました。外付けの木製の階段で5mくらい登ってから塔に入りました。塔の1階に出入り口が無いのは敵からの侵入をし難くする工夫でしょうか。

外付けの階段の上から撮影

塔の内部は人一人が通れる幅で、高さのある螺旋階段が頂上まで続きます。息を切らしながら這いつくばるように登ります。

螺旋階段を見下ろして撮影

やっとのことで登りきると絶景が広がっていました。

イチャン・カラを一望

方角によって陽の光の当たり方が変わり、それによって景色の見え方、色味が大きく変わって興味深いです。

砂漠色の建物にエメラルドグリーンのドームが映えます

塔の南側の景色です。ここから10km南は隣国トルクメニスタンです。

塔の南側からはトルクメニスタンが見えます

てっぺんにはウズベキスタン人のおじさん2人とシンガポール人の女性2人がいました。おじさんたちが女性たちに一生懸命話掛けていましたが、言葉が通じないので彼女たちは愛想笑いをするだけでした。

塔を降りたときは脚がプルプルになるほど疲れていました。

ホジャンベルティバイ・マドラッサ

一歩踏み出す度に足がつる寸前の嫌な感覚を味わいながら、ホジャンベルディバイ・マドラッサ(Khojamberdibai Madrassah)に行きました。マドラッサとはイスラムの宗教教育機関でいわゆる学校です。

ホジャンベルティバイ・マドラッサ

マドラッサの入り口付近には露店が並んでいます。

ホジャンベルティバイ・マドラッサの露店

威厳が感じられる建物です。

ホジャンベルティバイ・マドラッサの入り口

中庭が広く陽の光を取り込んでいます。おじさんのポーズも決まっています。

中庭のおかげで各部屋に光が行き渡ります

庭の隅ではパンを作っていました。青いベストの女性がパンにスタンプで模様を付け、紫の服の女性が窯でパンを焼いています。

ウズベキスタンのパンを焼く様子

窯のへりにパンを張り付けて焼くスタイルです。

窯でパンを焼く様子

土産物店

イチャン・カラには土産物店がたくさんありました。

機織り物屋。ここでは機織りの体験もできるようです。

機織り物屋

アクセサリー屋。数珠や雑貨を売っています。

アクセサリー屋

露店ではソフトクリームも売っています。歩き回って暑くなった時にちょうどいいです。

ソフトクリーム

置物屋の奥には「ほんや」と書かれた書籍店があります。

置物屋

置物屋には馬に乗った人形が売っていました。

太陽を眩しそうに見る人形
建物、景色が本当に素晴らしかった分「ちゃんと歴史も調べればより楽しめただろうなぁ」とちょっと後悔しました。なので1冊ガイドブックを持っていくことをオススメします。
※電子書籍タイプならスマホにダウンロードするだけで使えるので荷物が増えずに済みます。
※電子書籍タイプの方が通常版より安く買えます。

展望カフェレストラン「テラッサカフェ」

歩き疲れたので、テラス席が見えたカフェで休憩です。名前はテラッサカフェ(Terrassa Cafe)です。

テラッサカフェ外観

おしゃれなテラス席です。屋根を覆う建物が無いので絶景を独り占めしたような気分になります。

テラス席

ここでは瓶に入った麦スカッシュが置いてありました。

瓶入り麦スカッシュとマドラッサ

奥の建物は、ムハンマド・ラヒーム・カーン・マドラッサ(Mohammed Rakhim Khan Madrassah)です。

テラス席から見えるマドラッサ

ウルゲンチへ戻るタクシー

カフェレストランで良い休憩ができ、タクシーでウルゲンチまで戻ります。西門のタクシー乗り場で運ちゃんと交渉していたら近くのゲストハウスにいたおばちゃんが交渉を手伝ってくれました。

価格はシェアタクシーで1人8,000スム(約104円)で、3人集まるまで待つ必要があります。貸し切りにする場合、1台25,000スム(約325円)で40km離れたウルゲンチまで行ってくれます。

行きは1時間30分でしたが、帰りは40分でウルゲンチに戻ってきました。

■イチャン・カラ西門前の優しいおばちゃんがいるゲストハウス

イチャン・カラの西門前にある「Khiva Alibek B&B」です。

本当にイチャン・カラの隣にあるので、ここから見える朝日・夕日は最高だと思います!

再びウルゲンチへ

タクシーの運転手にヌクスに行くことを伝えた所、ヌクス行きのタクシーが集まっている場所まで連れて行ってくれました。

下車するとその運転手が気を利かせてヌクス行きのドライバーに話を付けてくれました。

ヌクス行きのドライバーに夕飯を食べに行くことを告げて一旦その場を離れました。

レストラン「ホラザン・バリク・タオムラリ」

ここホラザン・バリク・タムオラリ(Xorazm Baliq Taomlari)は店内にウズベキスタン式の座敷席があり、とてもくつろげました。繁盛店らしくお客がたくさん来ていました。

ウズベキスタン式の座敷席

裕福そうな家族やグループは、使用料がかかる個室を利用していました。

奥には個室があります(別料金)

注文した料理が来ました。チーズマヨサラダです。細切りチーズとハムにマヨネーズを合わせただけですが、マヨネーズとチーズが濃厚でおいしいかったです。

チーズマヨサラダ

シャシュリクは外れません!ジューシーで柔らかく、こちらもとてもおいしかったです。

シャシュリク

パンにはイチャン・カラで見たようなスタンプの跡がついていました。

ウズベキスタン式パン

ヌクス行きのタクシー

夕食を済ませ、雑貨店で水やお菓子を買った後、タクシーに乗り込みました。ヌクスまで約170kmですが、シェアタクシーで乗客4名なら一人35,000スム(約455円)、3名なら一人50,000スム(約665円)でした。

約2時間でヌクスに到着しました。

ウルゲンチからヌクス移動中の夕暮れ

ヌクスとは

ヌクスという街は、カラカルパクスタン共和国の首都です。この聞きなれないカラカルパクスタンという国はウズベキスタン内にある国です。国の中に国があるという日本では聞いたことのない不思議な制度を採用している国です。

場末の酒場という修羅場

午後9時30分ごろにヌクスに到着しました。昨日に引き続き、午前4時発の列車に乗ります。日もすっかり暮れているので、それまで駅前の酒場で時間を潰すことにしました。ここではカラカルパクスタン人の方々が楽しい時間を過ごしていました。

テーブル席

入店し、店員のお兄ちゃんに麦スカッシュを注文した直後に、お客の中にいた1人のおばさんが話しかけてきました。ウズベキスタンの挨拶「アッサラーム・アレイクン」で挨拶をかわし、友好的に見えましたが、言葉が全く通じないのに強い口調でずっと話しかけてきます。

「空気を読めよ!」とばかりに、おばさんの仲間がおばさんを止めに入りますが、今度はその人とおばさんで小競り合いになりました。すると二人ともガッチリした兄ちゃんに連れて行かれました。

静かになり、麦スカッシュが運ばれてきました。1リットルのペットボトルに入った麦スカッシュでした。

ペットボトル入りの麦スカッシュ

落ち着いて飲み始めると、今度はさっきまで女性1人、男性2人のグループで飲んでいたおじさんの1人が話しかけてきました。

言葉が通じないので、挨拶と2,3会話をするならわかりますが、おじさんは永遠と話し続けてきます。しつこいので苦い顔をしていたら、店員のお兄ちゃんが「追い出そうか?」とアイコンタクトしてきました。彼に助けを頼むと注意してくれました。おじさんはゴネ始めましたが、案の定おじさんは友人に連れて行かれました。

奥にはカーテンで仕切られた個室があります

とても気が利く市原隼人似のイケメン店員は、お詫びとばかりに角砂糖の様なものをくれました。少しかじってみたら塩気のある濃厚で乾燥したチーズでした。おつまみにちょうど良かったです。

後々調べてみたら中央アジアは一般的なヨーグルトに塩を混ぜて乾燥させた乾燥チーズの「クルト」というものがあり、これはその一種だと思われます。

角砂糖の様な乾燥チーズ「クルト」

お店にお客が居なくなり落ち着いて再び飲み始めました。しばし談笑し、2,30分経ったらいつの間にか皆復活していました。 あのおばさんも復活していて、こちらに来てまたしつこく何か言ってきます。

大人しくしていても埒が明かないと判断し、こちらは日本語で言い返し始めました。か細く香水が強めのそのおばさんと声を出し合い、パニックが最高潮に達した時に、突然作業服を着た男が顔の辺りを手で覆いながら店に早足で入ってきました。なぜかその男は鼻血を出していて、床に血を垂らしていました。

仕事のできるイケメン店員は、男を介抱した後に床の掃除もしていました。

薄暗い店内

次は我々の身に危険が及ぶかもと考え、店を出ることにしました。「こんな場末の酒場で極上のエンタメを体験してしまったら、もしかして高額請求されるかも」とお互い話していましたが、非常に良心的な値段でした。

中々の修羅場でしたが、あの良心的なイケメン店員のおかげでカラカルパクスタンは悪い印象にはなりませんでした。

ヌクス駅

予定よりちょっと早く駅に来てしまいましたが、構内のベンチが使えたので列車の出発時刻の午前4時まで仮眠しました。

ヌクス駅構内

午前3時過ぎに構内アナウンスがあり、無事乗車できました。

ヌクス駅ホーム

ここから28時間かけてウズベキスタンからカザフスタンへ国境を越えてカスピ海の港町アクタウへ向かいます。極楽と修羅場を味わった長い一日でした。

ヌクスからアクタウ行きの寝台列車

まとめ

  • ウルゲンチからヒヴァへはバスで行ける
  • ヒヴァは穏やかでのんびりした場所
  • ウルゲンチからヌクスへは白タクが速い
  • ヌクスの酒場は大荒れするので気を付ける

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